第四話 ウタワナリ
内花(ウチバナ)の東にポツンとかわいくうかんでる島

この島はね「ウタワナリ」といってね
琉球王国の王さまが そのむかし 白い鳥の姿で 舞い降りてきたところというよ

「片足(カタヒサ)降るしん(ウルシン) るんしーねぇ
 片足ぬ 石が 板干瀬(イタビシ)になてぃ
 両足(ムルヒサ)ぬ 降るしん るんしーねぇ
 両足ぬ 型ぬ 大く(マギ)くなてぃ」

その白い鳥が片方の足を降ろすと板干瀬になり

両方の足を降ろすとそれが大きな岩となった

それらの岩は またたくまに大きくなって 小島をつくったっていうんだね

鳥は二羽降りてきたらしいんだが

一羽はもちろん王さま もう一羽はウミナイビ(お妃さま)だったというよ

この王さまのことを歌ったのに こういうのがあるんだ

いしなぐぬ 石ぬ 
大石(ウフイシ)なるまでぃ
うかきみせ みそーり 
我(ワ) 御主加那志(ウシュガナシー)

(お手玉の小さな石が 大きな石になるまで 
 いつまでもお見守りください 私たちの王さまよ)   

                          おしまい

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